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小学校の教師をやっています。

心霊現象において曖昧なストーリーが成立する理由


小学校で子どもたちと接していると、何気ない瞬間に「先生、あの話知ってる?」と心霊話を聞かせてくれることがあります。怖い話は子どもたちの間でも人気ですが、その多くは内容が曖昧で、一貫性がないことも多いです。しかし、なぜこのように曖昧なストーリーでも心霊現象として成立するのでしょうか?その理由を考えてみたいと思います。

物語が変化する理由

心霊現象や怪談は、時間とともに変化します。たとえば、ある心霊写真にまつわる怪談のストーリーも時代によって異なります。大正時代には「病床の妻が住職を呪って死んだため写真に写った」という話が定説だったのが、昭和時代には「元武士の住職が誤って殺した妾のお初が写った」という全く異なる話に変わっています。  
このような変化は、ストーリーの真実性よりも、その物語が人々に与える影響や印象が大きいために起こります。怪談の内容が変わることで、写真や場所への印象もまた変わり、より恐ろしいものや悲しいものとして認識されるのです。  
 
「この写真に付与された怪談は、後の時代になると変わることとなる。小池の研究によると、大正時代までは病床の妻が住職を呪って死んだために写真に写ったという話が定説となっていたが、昭和時代からは元武士の住職が誤って殺した妾のお初が写ったという話が登場する。ここで重要なのは、どの話が真実であるかどうかではない。重要なのは怪談により心霊写真の観察者への現れがガラリと変わるという事実である。」  山口良太; ヤマグチリョウタ. 複製技術時代の霊. 文化/批評, 2011, 3: 102-128.  
 

ストーリーが曖昧であることの強み


曖昧なストーリーが成立する背景には、霊的な存在に対する人々の共通の感情や恐れが存在します。心霊現象はしばしば、恨みや怨念、寂しさなどのネガティブな感情に結びつけられます。こうした感情は誰しもが理解できるものであり、具体的なストーリーがなくても想像力を掻き立てるのです。地縛霊の話でも、その霊がどんな恨みを抱えているのかは具体的には語られませんが、「その場に縛られている」という設定自体が、十分に怖さや神秘を感じさせる要因となっています。
 
「地縛霊(じばくれい)は、特定の土地や場所、建物などにずっと取り憑いている霊のことをいいます。恨みや怨念、寂しいという気持ちを持っていますので、霊が取り憑いている場所=いわゆる霊の縄張りエリアに入ると、人間は憑依される可能性があります。恨みことを聞いてあげ、できる限りの望みを叶え、供養するからと説得すると、成仏することもありますが、恨みが強いと成仏が難しくなります。」  憑依体質チェックと霊に取り憑かれた時の根本的解決法はコレ! 
 

子どもたちへの伝え方

心霊現象のストーリーが変わりやすく、曖昧である理由を理解することは、子どもたちにも大切です。私たち教師は、怖い話を楽しむ子どもたちに対して、それが必ずしも真実ではないこと、時代や語る人によって話が変わることを伝える必要があります。心霊現象は恐怖を楽しむ一方で、人々の感情や想像力の産物であり、科学的な視点からも疑問視されるべきものであることを理解させたいと思います。

曖昧なストーリーが成立するのは、私たちの恐怖や興味が、その曖昧さを補って余りある力を持っているからです。そのことを教えながら、子どもたちが心霊話を楽しむことができるようにサポートしていきたいと考えています。

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